おおまかな流れをつかもう
LNG燃転は足の長いプロジェクトです。
検討を始めてからLNG化への切替が完了するまで、最短でも2年程度。長ければ10年近く掛かることも少なくありません。
この記事では、検討の開始から設備の建設、運用開始までの流れをざっくり解説します。
A. 検討ゾーン
LNG化を検討する工場とは
エネルギー指定管理工場(燃料を多量に消費する工場)は、法により省エネ、電化、脱炭素(省CO2)などの取り組みが求められる立場にあります。
重油から天然ガスへ切替えるとCO2は約3割減らすことができるため、これまで多くの工場でLNG化が済んでいます。
天然ガスを営業する会社とは
都市ガス会社、電力会社、商社は、一定規模の工場に対して「重油から天然ガスへ切替えませんか」と営業を行います。
燃料の切替提案のほか、太陽光パネル・高効率空調・LED照明・EMSによるエネルギー最適化などのセット提案や、補助金の活用も案内してくれるでしょう。
天然ガスを使う2通りの方法
①導管供給(ガス導管が近くまで来ている場合)
ガス導管が工場近くまで敷設されている場合は、導管で天然ガスを購入することができます。
維持管理がとても楽で、工場の労務的な負担は殆どありません。
ですが、導管がそもそも限られたエリアにしか敷設されていないため、この選択肢を持てない工場も多いです。
②サテライト方式(導管が近くに無い場合)
この場合は以下の方式で天然ガスを使います。
・ローリーでLNG(液化天然ガス)を配送してもらう
・工場内に建てたサテライト設備でLNGを貯蔵(荷受け)する
・サテライト設備でLNGを気化させ、天然ガスを使う
サテライト設備でマイナス162℃であるLNGを受入たり、気化したりといった労務が発生します。
具体的な検討事項
工場、LNG販社、エンジニアリング会社、プラントメーカー、各種の工事会社など、関係者も多く、検討・準備・調整に時間と労力を要する総合的なプロジェクトです。
LNG燃転プロジェクトの流れ
【図解挿入】
LNG燃転プロジェクトの全体ロードマップ
以下のような流れでプロジェクトは進みます。
- 燃転目的の整理
- 現状把握
- 導入可能性の検討
- パートナー選定
- 基本計画・概算見積
- 官庁協議・補助金検討
- 詳細設計・工事
- 試運転・検査
- 運用開始
全体の流れが分かると次に何を押さえるべきか見えてきます。
大切なのは「設備」ではなく「プロジェクト視点」
予算検討の段階では設備にのみ目が行きがちです。
発電設備、炉、蒸気ボイラー、LNGサテライト。
それぞれ幾らで費用の妥当性があるのか、気になるのは当然です。
LNGへ切替する理由、しない理由
- 現在の燃料を使い続ける良い点と悪い点
- B
- どういったチームで提案を進めるのか
- 関係する法令や条例、コンプラリスクの有無
- 各社の工事範囲に抜け、落ちは無いか
- 維持管理メンテの体制はどうするか
こうした要素を整理して初めて、LNG燃転プロジェクトは前に進みます。
LNG燃転は、設備工事であると同時に、関係者と工程を整理するプロジェクトマネジメントでもあります。
LNG燃転検討が止まる理由
よくあるのは、次のようなケースです。
- 目的が曖昧なまま始まる
- 必要な現状データがそろっていない
- 見積範囲が整理されていない
- 関係者の役割分担が曖昧
- 官庁協議が後回しになる
- 工事範囲の切り分けが不明確
- 運用開始後の保安体制が決まっていない
LNG燃転は、設備を知っていれば進むというものではありません。
誰が、何を、どの順番で進めるのか。
ここを整理できるかどうかが、プロジェクトを前へ進めるうえで重要になります。
まとめ
LNG燃転プロジェクトは、燃料供給・設備計画・法令・工事・保安・運用までがつながる総合的なプロジェクトです。
まず全体像を押さえることで、次に何を調べるべきか、どこでつまずきやすいかが見えやすくなります。
LNG燃転ラボでは、この全体像を入口として、各テーマを順番に解説していきます。
まずは全体の流れをつかみ、気になるテーマから読み進めてみてください。
次に読む記事
LNG燃転プロジェクトの全体像を押さえたら、次はこちらの記事も参考にしてください。
- LNGとは?
- LNGサテライトとは?
- LNG導入費用はいくら?
- LNG案件の商流を解説
- LNGサテライトと官庁協議
- LNG設備の工事の流れ
- LNG案件はなぜ止まるのか
- 【虎の巻】強い販社と組め
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